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ロンドンのストリートでピアノを弾きませんか?

雲一つない、真っ青な空。今日のロンドンは晴天。私はベッドから飛び起き、服を着がえてモニュメント広場へちょっとピアノを弾きに出掛けた。夢のような話、でも本当のこと。ロンドンでは現在、20台のピアノが街中に置かれ、好きな時に誰でも演奏できるようになっている。

これは英国人アーティスト、ルーク・ジェラムの「プレイ ミー、アイ・アム・ユアーズ」というアートプロジェクトである。2008年から世界中をツアー中のこのプロジェクトでは、街の人々によってペイントされたカラフルなピアノがロンドン中の公共スペースに登場する。リバプールストリート、ロンドンウォール、ミレニアム・ブリッジをはじめセント・ポール大聖堂広場など、予期できない場所ばかりだ。

「ピアノは真っ白なキャンバスのようなものだ」とルークは話す。どんなクリエイティブな音や場面を創りだすかはコミュニティ次第だと。公共の場で弾くなんて気が引ける...と思うかもしれない。でも道に置かれたカラフルなピアノは非常にフレンドリーで、一度坐ってみると心配なんてしなくていいということがすぐに分かる。技術的なスキルなんて必要ないし、訓練がなくても大丈夫。私が最後にピアノを弾いたのは、かれこれ15年以上も前のこと。弾いてみたいけど広場だし..と思ってはいたが、いざ弾きはじめ音が空に向かって響くのを耳にした途端、全てから解き放たれて自由になった。ピアノに置かれた楽譜の最初の部分を少し弾き、あとは適当に合わせて創作演奏。音の響きを体で感じ、朝の爽快な空気を肌に受け止め、まるで街と一体になったかのような格別な体験だった。

ルークは彼自身が色盲であることも関係してか、聴覚感知に関するリサーチ、研究に精力的に取り込んでおり、数々の関連したアート作品を生み出している。今回のピアノプロジェクトも例外でなく、感覚に訴える作品だ。実際このプロジェクトを一言で言い表すのは難しく、感じ取って体験してほしいと言うのが最適な気がする。そして、このプロジェクトはロンドンのストリートに新たな意味を加えてくれたとも言える。私達の大半が、毎日駆け足でオフィスに向かうのに一生懸命で見向きもしないストリート。ちょっとした「非日常」が道端にあるのも、なかなかステキだ。

キーティング敦子

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